鍼で内出血を起こすことはある? 治し方は?

治療の副作用として「内出血」が起こることがあります。
いきなり施術箇所に内出血が出来たら怖いですよね・・・!

施術に使う鍼は非常に細いものですが、血管に触れると出血する可能性があり、内出血が「絶対に起こらない」とは言い切れません。

不安を解消するためにも、そもそも内出血って何なのか?
発生原因や対処法、予防法などを知っておきましょう!

 

鍼治療で内出血が起こる原因

鍼で内出血が起こる原因は?

皮膚に鍼を刺したときに、血管を刺したり、傷つけてしまうことにより、内出血が起こります。

通常、血管には弾力があるため、鍼が身体に入っても、血管のほうがよけてくれます。
ところが、血流の悪いところは血管の弾力性が低下しており、鍼をよけきれずに傷ついてしまうことがあります。

これにより、漏れ出した血液がそのまま皮下組織に残ってしまうことで、皮膚の色が赤紫や青に変わるのです。

 

内出血が起こるのは、施術者の腕次第?

血管は太いものから細いものまで、身体中を網の目のように広がっています。毛細血管にまったく触れずに鍼治療を行うことは、どんなに技術力の高い鍼灸師でも難しく、内出血を完全に防ぐことは基本的には不可能とされています。

ただし、鍼の刺し方、刺す場所、抜き方などの技術や工夫によって、なるべく内出血が起こらないように努めることはできます。

内出血が気になる方は、予め施術者に伝えておくことで、内出血のリスクを抑える施術に切り替えることも可能です。

 

腫れや痛みはある?

血管にも神経が通っており、施術を受けているときに皮膚の奥のほうでチクッと軽い痛みを感じた場合は、鍼が血管を傷つけた可能性があります。

また施術中には気づかず、施術のあとで内出血に気づくこともあります。

腫れの大きさや痛みの度合いについては個人差がありますが、長くても2~3週間ほどで消えることが多く、痕に残ることはまずありません。

 

鍼治療で内出血が起きやすい人

毛細血管の血流が悪い人が内出血を起こしやすい

太くて弾力のある血管は、鍼治療に使うようなごく細い鍼が刺さっても、内出血を起こすことはありません。※血管が鍼を避けてくれるため。

内出血は、細くて弾力がない毛細血管に起こりやすく、特に血流が悪くなると、血管そのものの酸素や栄養が不足し、弱く破れやすい状態になっています。

血流が悪くなる原因ですが、糖尿病や高血圧、高脂血症などの病気、加齢、喫煙などが挙げられます。

血流が悪くなり血管がもろくなると、内出血が起こりやすいことに加え、血液を固める力も弱まる傾向があるため、内出血が消えるまでの時間も長くなる傾向があります。

また、病気の治療で抗凝固薬など、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人も、血液が固まりにくくなるため内出血が起こりやすく、消えるまでに時間がかかる傾向があります。

ほかに、遺伝など生まれつきの身体質であざができやすい人、疲労やストレス、ダイエットなどで胃腸の働きが低下している人も、内出血を起こしやすいと考えられます。

 

食生活、日常生活でもケア可能!

まずは食べ物に気を配りましょう!
冷たいものを避け、消化に良いもの(湯豆腐・ささみ・青菜など)がおすすめです。

コリが強いところ&疲れがたまっているとろこは、血流が悪くなっている場合が多いので、しっかりお風呂で温まり全身の血流を良くしてあげましょう。

首の付け根や骨盤周りは太い血管が通っている所なので、集中的に温めて、血流を良くすることも効果的です。

 

内出血は悪いものではない!?

内出血が起きることにより、よりよい状態へ改善する

目立つ場所に内出血ができると、人の視線が気になったり、恥ずかしくなったりするかもしれません。

確かに内出血はあまり印象のよいものではありませんが、身体にとっては決して悪いものではありません。

東洋医学の考え方では、内出血は身体の中の悪いものを外に出してくれるもの、停滞していた気や血液の流れをスムーズにして、身体の不調を改善してくれるものと考えます。

私たちの身体にもともと備わっている自然治癒力によって、内出血が起こった場所では、皮膚の組織が修復され、新しい肌へと生まれ変わっていきます。

つまり、内出血は身体の状態をよくするための自然な作用であり、内出血が治る過程で身体の悪い部分も一緒に改善されていくと考えられているのです。

内出血を「嫌なもの」と思わず、ポジティブに受け止められるといいですね。

 

内出血の予防法と治し方

顔の内出血

内出血そのものは、身体に害をおよぼすような悪いものではありません。

通常は自然に治るので、何もせずそのまま様子を見てもいいでしょう。

ただし、顔にできた内出血は目につきやすく、美容的な観点から気にされる方が多いでしょう。

その場合はすぐに冷やして炎症を抑え、落ち着いたら温めて血流を促すなどのケアを行うと、治るスピードが早くなるといわれています。

結婚式や成人式などのイベントや大事な予定の前など、顔に内出血ができると困る場合には、顔の目立つところへの施術は避けたほうがよいでしょう。
顔への施術と同様の効果が期待できる施術に切り替えますので、施術者に予めお知らせください!

 

内出血の予防法

先ほどもお話しした通り、身体中に網の目のように広がっている血管をよけて鍼治療をすることは難しく、内出血を完全に予防することは残念ながらできません。

しかし、内出血のリスクをできるだけ抑えるために、対策を講じることは可能です。

例えば、鍼が太いほど内出血が起こりやすいため、より細い鍼を使うことは内出血予防につながります。

鍼灸で使う鍼は一般的な注射などで使う針と比較するととても細く、なかには0.1~0.18mmという髪の毛ほどの細さ(注射針の1/3以下の太さ)の鍼もあります。

さらに、鍼の刺し方や抜き方、鍼を抜いたあとの手技など、施術者の技術や工夫で内出血のリスクを減らすことも可能です。

内出血予防のためには、技術力が高く、経験豊富な施術師がいるサロンや治療院を選ぶことも重要といえるでしょう。

 

内出血の処置法・治し方

内出血がみられたら、指で軽く押さえたあと、氷などで冷やします。

もむと内出血が広がってしまうので、もまないようにしましょう。

その後、温めると血流がよくなり、リンパの流れもよくなるため、内出血の治癒スピードも早まる傾向があります。

病気など、内出血が起こりやすく、治りにくい要因がなければ、ほとんどの人は何もしなくてもだんだんと色が薄くなり、数日~2週間程度で消えます。

 

心配なこと・気になることは鍼灸師に相談を

内出血を起こすと、皮膚が赤紫色や青色に変色するため、驚いたり不安になったりする人もいるかもしれませんが、身体に悪影響があるものではないので、あまり心配することはありません。

ただ、顔や目立つところにできるとなると、やはり気になりますね。

鍼による施術を行うサロンや治療院の多くが、鍼灸師ができるだけ内出血しないように、それぞれ対策を考え工夫しています。

「内出血ができないようにしてほしい」「顔の目立つところは避けてほしい」などの要望や、気になること、心配なことがあれば、施術前に鍼灸師にご相談ください。

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